この石油化学工場は、マレーシア初にして最大のオレフィン・ポリオレフィン統合生産設備として強い存在感を放つ、東南アジア第2位の規模のポリオレフィン生産施設です。その規模、革新性、戦略的重要性に関する評価が示す通り、現地の産業基盤の礎となっています。
弊社が請け負う業務は大半が協働プロジェクトですが、弊社の適応力と技術レベルの高さが遺憾なく発揮される単独プロジェクトを請け負うこともあります。稀な事例にも、弊社単独で高品質な成果を生み出す能力を裏打ちする証があり、弊社のプロジェクトポートフォリオの中でも貴重な部分を構成しています。
このプロジェクトでは、緊急性と技術的難易度への対応力が試されました。金属触媒によるコークス化（MCC）を引き起こす六角メタルの剥離に対する一刻も早い対処が求められました。
この作業には、RAWプロジェクトマネージャーの単独作業が含まれていました。これまで経験した中でも最も深刻な金属触媒によるクラッキングでしたが、施工後は、母材が非常に不均一であったにもかかわらず、溶接部は完全に良好な状態となりました。複雑な開口部設計の経験を有するSILICONのプロジェクトマネージャーだからこそ、難しい形状をした共有部分の開口部であっても、円形・矩形・鋭角形状の間でスムーズに移行することができました。
この種の作業を実施するには、一つのシフトが溶接を行う間、同じエリアで別のシフトが研磨作業を実施するという並行作業が欠かせませんでした。研磨完了後は他の作業が行われなかったため、通常とは全く違って、静かで平穏な環境下で単独での作業を行うことができました。単独での施工作業は相当な肉体的労力を要しただけでなく、作業の複雑さもありましたが、独力で作業を完遂する献身性が光りました。
MCC問題を解決するため、SpeedHex® 6、SpeedHex® 3、SpeedHex® Mini、SpeedTab®といったSpeedSerie® アンカーを選定しました。この耐火アンカーの組み合わせは、石油化学業界の耐火ライニングにおける、SILICONの最先端ソリューションです。
このアンカーは、高性能かつ迅速な施工を目的に開発され、極度の摩耗や、熱サイクル、機械的ストレスにも耐えるように設計されています。各モデルはそれぞれ特定の用途に対応しています。SpeedHex® 3は、摩耗の激しい箇所に対して、頑丈なハニカムフィットとワンショット施工が可能です。SpeedHex® Miniは、狭小空間や軽量物への用途に最適です。広範囲を最大効率でカバーするSpeedHex® 6は、耐久性が損なわれずに施工速度が増します。さらに、従来アンカーでは難しいコーナー・エッジ部への汎用ソリューションとして、SpeedTab®をご用意しております。
これらのアンカーはRapid Arc Welding (RAW)技術と完全な互換性があり、シームレスな統合が可能で、優れた溶接品質を確保します。信頼性はお墨付きで、主要なターンアラウンドプロジェクトの定番の選択肢となっています。単独で、または組み合わせて使用するSpeedSerie®アンカーは、抜群の性能を発揮し、製油所のダウンタイムの削減とライニング耐久性の長期的向上に一役買っています。
作業環境は穏やかで文化的豊かさにあふれていました。伝統の多様さが独特なスケジュールを生み、印象に残る食事が出されました。近くのユニットから時折発生する閃光など注意が必要な瞬間もありましたが、全体的な雰囲気としては、集中力が途切れませんでした。特に六角メタルが数ヶ月で破損したことを考慮すると、施工作業自体は明らかに改善しました。主要な作業が完了した後、研磨担当と耐火物の担当者が引き継ぎ、仕上げの工程を行いました。
