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February 26th, 2024

ホワイトペーパー:耐摩耗性耐火ライニングの破損を軽減する

耐摩耗性耐火ライニングの破損は、過去20年にわたり石油化学業界で数多く報告され、緊急シャットダウンや計画的ターンアラウンドにおけるクリティカルパスの中心テーマとなってきました。現実に何百万もの利益機会の損失を招き、FCC装置の容器類をはじめとする重要な処理装置の早期交換につながってきたのです。

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注目すべきは、耐摩耗性耐火ライニングの破損に関連する議論が、たいていの場合その根本的な原因よりも、破損の二次的な症状を中心に展開されてきたことです。

耐摩耗性耐火ライニングの破損は、プロセスパフォーマンスや安全性、機器の寿命、運転コスト、利益などに直接に悪影響を与えます。しかし、こうした破損を防ぐ積極的な戦略があります。エンジニアリングと設計を見直し、破損の主な発生要因をコントロールし、それを軽減できれば、破損の補修に費やされる何百万もの無駄な費用と数え切れないほどの危険な工数を回避することができるのです。

エグゼクティブサマリー

耐火ライニングのバイパス現象は、FCCの処理効率を左右する、コストのかかる問題です。

  • バイパス現象の主な原因は、従来のクローズドセルシステム内に形成される多数の通路や隙間にあると観察されています。そのことにより、装置内の自然なまたは設計された流れが妨げられるような圧力差が生じ、気体や液体がライニングの裏側へと流れる現象が発生します。

  • 定義されたシステムは2種類しかなく、それはクローズドセルシステム(例:六角メタル)と、オープン/非セルシステム(例:Sバー、Kバー、半六角セル)です。

  • 垂直バイパス流路を遮断するセミクローズドシステムは、バイパス流を防ぎ、バイパス流によって引き起こされる溶接部の腐食、炭化、構造劣化などの故障メカニズムを防ぐことができます。

  • セミクローズドシステムを設計に採用することで、機器の長期的な性能維持とバイパス現象の抑制が可能となり、サイクロン、ライザーなどの重要な装置内部のメンテナンス頻度を低減し、耐用年数を延ばすことができます。

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